Old Timer誌への投稿記事①
《Old Timer 165号掲載 三菱ジープ黎明期の情報》 2019年2月26日発行
【三菱ジープ黎明期のエンジンについて】
実は、書籍『三菱ジープの歩み』にも3J,4Jエンジンのことにはズバリには触れられてはいないんです。同書のP153に以下のような記述があります。この『三菱ジープの歩み』という非売品書籍は、ヤフーオークションに定期的に出品されています。原本はグリーンの表紙ですが、コピー版は薄いブルーの表紙になっています。新しく三菱ジープを所有されるようになった方は、是非この書籍をお読みいただきますとかなり三菱ジープに対する理解が深まると思います。
一説のくだりにはこのような記載があります。
『JH4ハリケーンエンジンは、CJ3B型以降のジープに搭載されたF頭式シリンダーヘッドのエンジンであり、これ以前のCJ2A/3A(J1,J2型)には、サイドバルブ式のライトニングエンジン4型が搭載されていた』『しかし、ハリケーンエンジンといえど、シリンダーヘッドを除けば、ベースはほとんどライトニングエンジンと同じである。1953年にウイリスオーバーランド社と技術契約を結びジープの完全国産化に着手したが、最初のJ1,J2型はCKD(完全部品供給方式)のため、ライトニングエンジンであった。』
この答えは、新三菱重工業時代(1952年5月~1964年6月)の整備解説書の中にありました。3Jエンジンと4Jエンジンは、ウイリスオーバーランド社製のもので、3JエンジンはL頭式で、4JエンジンはJH4同様にF頭式燃焼室が設定されていました。ボア・ストロークは3エンジンとも同じで、排気量も2199㏄。但しエンジン回りを含めた寸法や整備重量には大きな違いがありました。